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ライプツィヒキャンプ9日目。前日のミーティングで発表があり、この日の午後と翌日の午前の練習はオフに変更となった。これは、限界が近づいているように見える選手たちの疲労を考えたもので、梅木暁ヘッドオブパフォーマンスは「選手たちは150%やっている」と、太鼓判を押している。
10時過ぎ、午前中のみの練習はミーティングからスタート。話を聞いた選手の多くが「細かくて丁寧」と答えているように、ナルシス・ペラッチ・ナダル監督はコーチングスタッフと力を合わせ、自分たちが目指すスタイルや練習メニューについて選手たちに詳しく説明している。
1度目のミーティング後は室内で体作りに励み、2度目のミーティングを経てグラウンドに選手たちが現われたのは10時40分。GKグループは一足早く屋外に出て、川原元樹ヘッドオブゴールキーピングの指導の下、クロスボールへの対応やキャッチング、クリアを磨いていた。
この日も、選手たちは2グループに分かれて練習に集中する。片方のグループは、GKとフリーマンを2人ずつ入れた6対6のポゼッション。タッチ数に制限は設けず、ボールを奪ったら5秒以内にゴールを目指す目標のなか、鎬を削っていた。
もう片方のグループは、定番になりつつある10人が連動するプレスの確認だ。人型を前に立ち位置を整理して、10人が呼吸を合わせて動く。
まずは自分のポジションを守り、状況に呼応して高い位置まで相手を追い込み、素早く戻り、中に絞る動きも課されるSBの負担が大きく見えるが、イヨハ理ヘンリーに話を聞くと「上下の動きが激しいので一番つらいように見えるかもしれませんが、これまでに比べて飛び出していく回数は多くないし、全体が連動しているのでそこまで大変ではない」と、ピッチレベルの感覚を教えてくれた。
インサイドハーフを務めるカウアン・ディニースが攻守両面に進んで関与し、ダイナミックな攻め上がりや迷いのないインターセプトを披露する。ゴール前を固めるガブリエウ、村上陽介、尾崎優成、西尾隆矢はつねに大声で最終ラインを束ね、アンカーの中山昂大と加藤玄が攻守のハブとなる。熊田佳斗はこの日、右SBでプレーしていた。
練習中には通訳を通して要所で説明が入る。「サッカーなんだから、上手くいかないことは絶対にある」は、試行錯誤を続ける選手たちの支えとなっているに違いない。
最後は11対11のゲームとなったが、ここで輝いたのが豊川雄太だ。開始早々にゴール前までポジションを上げて先制点を奪うと、左からのグラウンダーのクロスを左足で叩き込むスーパーシュートも決めて2得点。31歳という年齢は感じさせず、卓越した決定力を見せつけた。
このころから時折り真っ黒な雲が上空を覆い、スコールのような雨が降ってくる。それでも選手たちは足を動かし、激しく体をぶつけ合う。ヘンリーとカプリーニは、ビブスの胸元がざっくり避けるくらい熱のこもったバトルが繰り広げていた。
ペラッチ監督はプレーを止めて説明する場面も多いが、「みんなオレの言うことをよく聞いてくれる。だけど、そこまで言うことを聞かなくていいからね」と、選手たちの感覚や判断も大切にしている。
また、2021シーズンから4季に渡り奈良クラブを率い、JFL優勝などの実績もあるフリアン・マリン・バサロ(アシスタントヘッドコーチ)とコミュニケーションを取ることで、日本人の気質や特性、指導におけるポイントなどを共有しているようだ。
ベルギーのオイペンとセレッソ大阪でスペイン人の監督と仕事をしてきた豊川雄太は、そのスタイルの難しさを理解しているようで「まだまだ積み上げの段階」と口にしている。
また、「(大津)高校でもやったことはない」3部練習に関して、「めちゃくちゃハードにやっているので足がパンパン。スペイン人なので細かいところはあるけど、それは理解しています。トライして、エラーが出て、修正しながら進めている感覚です。頭で分かっているのと、行動して肌感覚で理解するのとでは全然違う。ただ僕自身は、この歳になっても全然動けています」。
豊川は2025年11月29日のレノファ山口戦で足を痛め、復帰まで長い歳月を要した。約半年の離脱は「人生初」だ。ただ、長くピッチを離れていてもネガティブな感情は生まれていない。
「自分の体と相談しながらになりますが、ムリをせず力を温存して、というつもりはありません。限界を超えてトライしたいし、殻を破って新しい自分を見つけることができたらと思います。今年32歳になりますが、調整という意識は捨てたい。経験が邪魔になることもあるはず。これくらいでいいやとか、より効率的にという考えも否定しませんが、もう一歩先に行くためには誰よりもやって、走ってという姿勢を見せ続けたいと思います」
長期離脱によるマイナス要素、年齢による衰えは「考えたくない」。気持ちはつねに前向きだ。
「これ以上ケガしないように気をつける期間にあてられたし、自分で衰えたと思った瞬間にダメになると思うので、技術にしても肉体にしても新人の気持ちでやっていきたいと考えています。すべてのボールに思い切りよく飛び込んでいくスタイルも含めて、それが豊川雄太ですから」
新シーズンへ向けて、その胸には熱い思いがある。
「ファン・サポーターの皆さんは、これまでとは違った大宮が見られると思います。やっぱり、これまで以上にアグレッシブに戦う、インテンシティ高く戦うという姿勢を見せながら、勝ちにこだわって勝てる集団を作り上げていきたいですね」
- チーム
