明治安田J2リーグ 第13節
2025.5.3 [SAT] 14:00 NACK

大宮

  • 5' 市原 吏音
  • 47' カプリーニ
2 - 2
1 前半 1
1 後半 1

富山

  • 29' 松岡 大智
  • 61' 碓井 聖生
試合経過
総合力が試される連戦渦中。今季無敗のホームで勢いをつける
中3日の3連戦目となる。先発の変更も予想されるが、「スタメンがレギュラーということではない」というのが長澤徹監督のチーム作りだ。ベンチ入りする9人をプラスした20人で、もっと言えばメンバー外の選手の思いも含めて、チーム一丸で勝利を目指していくのだろう。

大宮が[ 3-4-2-1]を基本布陣とするのに対して、富山は[ 4-4-2]をベースにしつつ[4-2-3-1]も採用している。システムを決定づけるのはFWの人選で、それによってどちらのシステムなのかが読み取れる。

富山のビルドアップは、GKも参加して前進を試みるものだ。最終ラインから縦パスを入れる頻度は高くない。前線から規制をかけていき、敵陣でボールを奪ってショートカウンターへつなげるのは戦略の一つになる。直近2試合の大宮は後半途中から4バックで戦っており、富山攻略のためにどのような試合運びを見せていくのかもポイントとなる。

相手のハイプレスとインテンシティに苦戦した前節・いわき戦は、左サイドからの攻撃を封じられた印象だ。泉柊椰が得意のドリブルで質的優位を生み出せるかは、勝敗の行方を左右するポイントにあげられるだろう。

連戦を乗り切りながら勝点をつかんでいくためには、途中出場の選手の働きも問われる。スコアを動かす、追加点を狙う、試合をクローズさせるといった場面で、ピッチに立つ選手がしっかりとタスクを遂行していくのだ。

NACK5スタジアム大宮でのホームゲームは、今季ここまでリーグ戦で5勝1分と負けていない。不敗記録を継続して、6日の上位対決へつなげたい。

(文:戸塚啓)

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監督コメント
いわき戦については、まだやれることはあったよねということで、チームの中で目線は揃えてスタートしています。振り返りでは、2失点目が痛かったねということで、1失点で抑えていれば基本的にバトンを受け取った人たちがあのようにチャンスを立て続けに作っていくので、我々はそれを持っているからがっかりする必要もないですし、やはりいい時間ではないときもありますが、ただ最終的な絵はこうなるよねという形で、2点差だと普通はトーンダウンするところですが、そうならない選手が後から行くので、そこはもう1回チームで確認して、最終的に2点差だと相手もプロフェッショナルですばらしいチームなので難しいけれど、1点差であればなんとかなると思いますし、それは言い聞かせてるわけではなくて、去年からずっと彼らがやり続けて結果を出し続けていることなので、そこはしっかりと全員で共有しました。

富山は昨シーズンから監督も代わっていないですし、非常にソリッドで本当に忠実なチームというか、確実に勝点を稼いでくるチームなんだろうなと思って観ています。我々は直近の試合では万全に勝点を稼いでいるわけではないですが、しっかりと勝点は積み上げていますし、選手は最大限の力を出してくれていると思うので、そこに関しては評価しています。

先発で出るか途中から出るかという部分に関しては、僕の場合は先発はバトンを渡すためにいるだけで、最後に受け取ってもらって後から出た選手が勝負を決めてもらってもいいですし、選手たちにはずっとそういう思考だからと伝えています。選手たちは先発にこだわる部分もあると思いますが、僕はそうではないということは最初に彼らに示していて、こちらの思考は変わらないというのはわかっていると思うので、先発から出ようが後から行こうが、しっかり力を出せると思っています。
選手コメント
いわき戦は前半はベンチから観ていましたが、風もあってピッチもボールが止まりやすく、相手のプレスも結構あって難しいゲームだなと思っていたので、どう戦うかというところは考えていました。途中から出場しましたが、相手のフィジカルや勢いを止めることであったり、自分が出てそこをひっくり返そうと思っていましたし、0-2の状況で入ったのでまずは1点取り返そうという気持ちでピッチに入りました。敗戦しましたが、チームでもしっかり整理したので、いわき戦の敗戦を意味のあるものにしていかなければいけないと思っていますし、次の富山戦に向かっていい準備をしていければと思います。

12節が終わりましたが、個人としてはまだ1アシストしかできていないので、ゴールやアシストにこだわりたいと思っていますし、自分の価値をもっと上げていかなければいけないと思っているので、練習から引き続きアピールしていきたいです。1対1であったりスピードを生かした対人プレーなどを、攻撃でも守備でも意識して出せればと思います。

富山とは昨年もJ3で対戦していますが、相手どうこうよりも一戦一戦、目の前の相手と戦うだけだと思っているので、そこは変わらず一戦一戦を大事に気持ちを込めて戦うしかないと思っています。富山はサイドからの攻撃参加が多いので、自分が出場したらそこで相手の良さを消したいと思いますし、チャンスがあればどんどん前に出てゴール前で絡むプレーをしていきたいです。

ホームではいつもたくさんのサポーターが来てくれますが、皆さんの声援は選手にとって本当に力になります。僕たちはそれに応えなければいけないですし、まずは内容よりも結果を求めてやっていきたいと思います。
前節のいわき戦は、相手にすべての面で上回られてしまったと思いますし、不甲斐ないゲームだったと思います。相手はリーグでなかなか勝ちを取れていない中で、すごく気持ちも入っていたと思いますし、ホームで圧力もあったと思います。ただ、それを受けるような時間がちょっと長くなってしまったので、そこをどう打開していくかということが今後の課題にもなるかと思います。

GKからボールを付ける部分に関しては、もっと遠くの選手を選んだりとか、近くを使いながら展開していったりとか、いろいろなバリエーションを見せながら相手の嫌がる展開を作ることはできればより良くなるかなと思います。

開幕からここまでを振り返ると、まだまだ負けを引分けにしたりとか、引分けを勝ちに持っていけるゲームもあったと思いますので、現状に満足はしていないですし、ここからさらに上の結果を目指して臨んでいくだけだと思っています。より勝ちを拾っていくためには、シンプルに相手の嫌がるところを突いていくこともより必要になってくると思いますし、自分たちの連携もさらに引き上げていかなくてはいけないと思います。

富山は去年も同じカテゴリで戦った相手で、すごくハードワークできるチームだと思うので、それに負けないように自分たちももう一度原点に帰るではないですが、球際のところであったり切り替えのところであったりを見つめ直して戦っていければと思います。
メンバー

スターティングメンバー

70'
70'
81'
70'

控えメンバー

70'
70'
81'
70'

監督

長澤 徹

スターティングメンバー

GK 1 田川 知樹
DF 88 濱 託巳
85'
DF 4 神山 京右
DF 41 酒井 崇一
DF 28 布施谷 翔
MF 16 末木 裕也
MF 48 植田 啓太
60'
MF 8 松岡 大智
77'
MF 33 髙橋 馨希
85'
FW 17 井上 直輝
60'
FW 9 碓井 聖生

控えメンバー

GK 42 平尾 駿輝
DF 23 西矢 慎平
85'
DF 26 鍋田 純志
MF 14 浦 十藏
MF 18 伊藤 拓巳
77'
MF 24 河井 陽介
60'
MF 32 溝口 駿
FW 10 松田 力
60'
FW 27 吉平 翼
85'

監督

小田切 道治
試合詳細
13 シュート 6
13 GK 5
4 CK 6
6 直接FK 10
4 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

中井 敏博

副審

林 可人

副審

田代 雄大

第4の審判員

堀越 雅弘

入場者数

11,565人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

29.4℃/20%

HIGHLIGHT

市原、カプリーニの得点で2度リードも生かせず、退場者を出しドロー
明治安田J2第13節は、富山を相手に迎えるホームゲーム。前節はいわきに完敗したが、ゴールデンウィークの連戦で落ち込む時間はない。中3日で気持ちを切り替え、仕切り直して臨む一戦となる。デーゲームで強い日差しに照らされる中、キックオフを迎えた。

前節の敗戦を引きずらず、自信を持ってゴールを目指す姿勢は、試合開始直後から見られた。2分、カプリーニがドリブルで押し込むと、2次攻撃からオリオラ・サンデーがシュート。続くショートCKからは、カプリーニがヘディングシュート。さらにCKの流れから泉がボレーシュートを放ち、3分ほどで3本のシュートを放った。立ち上がりの勢いそのままに、5分、カプリーニが蹴った右CKを市原が頭で押し込み、今季初得点。早くも先制に成功した。

リードを得た後も、前線のプレッシャーで相手をサイドへ追いやり、中盤でボールを奪う守備が機能。サイドを変えながら前進のきっかけを探る攻撃で何度も敵陣に侵入した。ただ、密集地帯への仕掛けが増えたり、ワンタッチパスのテンポが合わなかったりとボールを失い、カウンターを受ける場面も増えていった。相手が多用するアーリークロスやミドルシュートで少しずつ脅かされる展開になると、29分に鋭いミドルシュートで同点に追いつかれた。

失点後もボールを保持して攻撃。36分、泉が得意のドリブルでカットインを仕掛け、こぼれ球を拾った谷内田が相手をかわしてミドルシュート。ゴール右に外れたが、得点の可能性を感じるシーンだった。前半ラストプレーでは、谷内田のクロスをカプリーニが右足ボレーで狙ったが、これもゴール右に外れた。

長澤監督は、後半開始と同時にファビアン・ゴンザレスを投入。「前に重心を作りたかった。先制して(前がかりになった相手の勢いを)受ける形になって(前線に1人残る1トップは)奪った瞬間に見るところ。(ゴンザレスは)全員が見つける選手なので、ノールックでも出すようになる」と話した通り、早いタイミングでゴンザレスに入るパスが増えた。

後半開始早々、左から押し込むと、小島がゴール前へラストパス。カプリーニが左足シュートをゴール右へ流し込み、再びリードを得た。試合再開から、わずか1分10秒ほどの早業だった。50分にも泉が左からゴール前へパスを送り、ゴンザレスのポストプレーからカプリーニがシュートを放つチャンスがあった。しかし、前半同様に、少しずつ相手の攻撃を受けるようになり、61分に自陣のコントロールミスでボールを奪われると、またしてもミドルシュートを決められ、同点とされた。

2度も追いつかれ、もう一度、気持ちを奮い立たせなければならない状況となったが、試合は難しい展開になってしまった。65分過ぎ、ドロップボールで再開した場面でプレーを止められると、フラストレーションを隠せなかったゴンザレスが退場処分を受け、数的不利になってしまった。

長澤監督は関口、和田、藤井の同時投入で布陣を4バックに変更。しかし、自陣ゴール前でどうにか跳ね返す展開が続き、苦しんだ。84分にはクロスバー直撃のシュートにヒヤリとさせられた。終盤に押し返す時間があったが、両軍ともゴールは生まれず。2-2の引き分けとなった。

先制点を挙げた市原は「点は取れたけど、守れなかったので、満足いく結果ではない。1人少なくなってからは無失点。10人で守れたなら、11人ならもっと守れないといけない。10人になってから(守備の)スイッチが入ったような気もした。11人の時に、もっとやれたんじゃないかと思う」と守備改善に目を向けた。

次節は、中2日で迎える千葉とのアウェイゲーム。国立競技場で、女子WEリーグの同カードとダブルヘッダーで行われる試合となる。千葉は、まだ1敗しかしておらず首位を走る強敵。多くの来場者が見込まれる一戦で首位をたたきたい。

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監督コメント
ゴールデンウィークの真っ只中で、10,000人近くのホームのサポーターも集まってくれて、今日のゲームに関しては最後に踏ん張らせてくれたなと思っています。本当に感謝しています。次はしっかりと勝利を届けられるように、また準備していきたいと思います。

ゲームの方は、非常にすばらしい出足と、連戦はセットプレーが非常に重要なのでしっかりと準備したもので先制をして、あとは相手が攻勢に出てきたので後ろを取れるかなと思って観ていたのですが、せっかく入った攻撃チャンスをシンプルにプレーできない、周りにフリーマンがいる中で単騎で突っ込んで行ったりとか、そういったプレーでちょっとリズムを失ってその流れで1本相手のすばらしいシュートという、サッカーではあるあるなので仕方ないかなと思います。

後半はすばらしい立ち上がりから入って行きましたが、労力の割には相手のすばらしい能力に一撃でというゲームだったのですが、どちらにしても打ち合いになっても最後は持って行けるかなと思っていた中で、ちょっとアクシデントがありました。ああいうのは指導者の責任なので、私の責任ですし猛省しております。いろいろな理由があるのですがこの世界は結果のみなので、しっかりとチームをマネジメントしなければいけないのと、チームとしてはああいう形というのは、いろいろな理由はあるのですがいずれにしても挑発に乗ってしまったりとかダメなものはダメなので、そこは今ロッカーで全員で確認してきました。

先ほども言ったように、非常に大きな勝点1だと思っています。10人になってからのソリッドさはさすがに大宮だという確認もできましたし、それをベースにしっかりと2点は取れましたので、ゲームに勝つのは得点で、リーグをしっかり勝ち取るのはディフェンスなので、そこのバランスをしっかりと1試合1試合追求しながら強いチームにしていきたいですし、今日の10人のソリッドさは間違いなくまた強いチームになっていくなと私自身は感じております。
選手コメント
富山とは去年もやっていますし、お互いどういうチームなのかも分かっている中でのゲームでした。勝たないといけない試合だったと思いますし、ゴールデンウィークでファン・サポーターの皆さんもたくさん入ってくれていましたし、こういう試合を勝ちにつなげられることで大宮がより盛り上がると思うので、勝ちたかったです。

先制点のシーンは、今までも本当に良いボールが来た時に2〜3回ぐらい外していたので、そろそろ点を取りたいなと思っていた中でカプリーニから良いボールが来て、今日が今シーズン初めての得点になりました。僕的にはこれが本当は4点目ぐらいのイメージだったんですけど、なかなかうまくいかなかったので、点が取れてホッとしています。 ただチームが勝っていないので、次は勝利に結びつくような点を取りたいなと思っています。

連敗はしないというのは去年からチームで掲げていて、前節はあんまり良くなかった試合だったんですけど、とりあえずそれは忘れて今日に集中しようという中で勝てればベストでしたが、一人少ない中で勝点1を持ってこれたというところは、ポジティブに考えてもいいんじゃないかなと思います。

失点したら持っていかれるなというのは思っていたので、まずは失点をしない、守備は堅くいこう、というのは自分発信で話していましたし、もうちょっとうまく守れたんじゃないかなと今になってみると思います。ただ一人少なくなってから失点しなかったというところは続けていきたいですし、一人少なくて失点しないなら11人の時は無失点でいけたんじゃないかなという考え方もできると思うので、こういった試合もいい経験にして戦っていければなと思います。

チームとして前節の反省を生かして今節に臨んで、良い入りができて良い感じで進んではいましたし、前半1-1で折り返して次の1点が大事というところで後半も良い入りができました。アクシデントもありましたし、難しい試合にはなりましたけど、この勝点1をポジティブにとらえるかネガティブにとらえるかは次節の結果次第だと思います。次は首位の千葉との対戦ですし国立なので、今日の試合を踏まえて戦っていきたいなと思っています。
インテンシティのある試合でしたし、難しい試合でした。暑さもありましたし、自分たちが少し苦しい状況にもなりましたけど、なんとか勝点1が取れたので良かったのかなと思います。

追加点は左サイドが起点からの自分のゴールだったですけど、自分もゴールを決められる位置にいて、チームで作り上げたところで自分がちゃんとフィニッシュできたというは良かったかなと思います。ただもうすぐに次の試合が来るので、また準備して次の試合に挑みたいなと思います。

たくさんのサポーターの皆さんがスタジアムに来てくれて、今日だけではないですけど、自分たちの良いパフォーマンスにつながるプレーができるのは彼らがいるからですし、毎回毎回サポーターの力を感じられています。これからも難しい試合というのが多分もっともっと出てくると思いますし、そこではやっぱりサポーターの方々のエネルギーというのは不可欠なので、年末には皆さんに笑顔が届けられるように、自分たちはしっかりとやって、みんなで必死に頑張りたいなと思っています。

次の千葉戦は間違いなくビッグマッチになると思いますし、面白い試合になると思います。たくさんのサポーターの中で試合ができたら選手のみんなもエネルギーをもらってもっともっとやれると思うので、ぜひスタジアムに足を運んでほしいと思います。僕たちは勝点3を目指して戦うので、それがちゃんと達成できるように、ここからまた準備していきたいなと思っています。
勝点1という結果になりましたけど、勝点3を目指していたのでこの結果に対してまったく満足していないです。優勝を狙うチームであればスキを与えてはいけないですし、失点の仕方があまりにも安すぎたので、まだまだ僕たちは成長しなければならないですし、そういったゲームだったんじゃないかなと思います。

本当に完敗だった前節のゲームから今日のゲームまで、全員がもう一回しっかりファイティングポーズを取ってやってきたというのは非常に良かったと思いますし、それが入りから出ていたと思います。ただ1点取ってからの流れは決して良いものではなかったですし、僕たちの特徴である速攻とか、迫力がある攻撃プラスアルファでどこかでテンポを出すようなプレーができていなかったのかなと思います。

やっぱり相手がいるスポーツなので、相手を見ながら点を取るためにボールを持つという意識も統一してやっていかなければ、単調な攻撃だけで終わってしまいますし、そこからカウンターに持っていかれてしまうなと感じています。

個人的にはリーグ戦ではなかなか出番がなくて、苦しいとか辛いとかそういった言葉では表現しきれないくらい難しい日々を過ごしましたけど、いろいろな選手が声をかけてくれて、特に(杉本)健勇くんとかトヨくん(豊川雄太)、トミくん(富山貴光)がポジティブな声をかけてくれていたので、 気持ちを切らさずに、つねにチャンスをうかがって日々やってきました。だからこそ今日の試合を何としても勝点3を取りたかったんですけど、そこが達成できなかったというのはまだまだだなと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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