いつもピッチでプレーする姿を見て、どんなことを考えているのか?とふと選手に聞いてみたくなること、ありませんか?今回はホームゲーム開催時にNACK5スタジアム大宮に設置した質問ボックスやSNSに寄せられたあらゆる質問からいくつか選手にぶつけてみました。日頃から感じていたことから素朴な疑問まで、チーム最年長コンビの阪口萌乃 選手、齊藤夕眞 選手が答えます!
『プロサッカー選手になろうと思ったきっかけはなんですか?』
齊藤夕眞(以下、齊藤) きっかけではないかもしれないですけど、小学生の卒業アルバムにはすでに「プロのサッカー選手になる」って書いてました。サッカーが好きで、負けず嫌い、もっと上に行きたいって思ったから今まで続いてる。代表から外れてからは、そこが目標ということはなくなって、今自分ができるトップトップをずっと目指しています。下のカテゴリーに行っても絶対にこのチームを1位にするっていうモチベーションがあったし、つねに自分が上を目指せる環境にいました。つねに上を目指したい…、向上心が強いのかも(笑)。
阪口萌乃(以下、阪口) 感覚が近いかも。幼稚園のときからサッカーが好きだから続けてきて、その延長戦が今。プロになろう! っていうのではなくて、逆に辞めるきっかけがなかったというのが正直なところです。
『もしサッカー選手じゃなかったら何がしたかったですか?』
齊藤 スポーツメンタルトレーナー。
阪口 え?やっぱり似てるかも(笑)。私もちょっとそういう感じの勉強をしてて…。
齊藤 そうなの?だから話が合うのかー。最初は下のカテゴリーに行ったときにみんなスキルも目標もバラバラだったから、こういうチームをどうまとめていけばいいんだろうっていうのがきっかけで資格を取ったら、自分にも使えたんです。そこで自分の波をコントロールできるようになったら結果につながるようになった。現役じゃなくなるときが来たら、そういうのを役立てられたらなって思っています。
阪口 セカンドキャリアって意味ではメンタル面をサポートできることにかかわりたいけど、もっとくだけたところだと卓球! 左利きなのでちょっと有利じゃない?キャンプのときに卓球台があって1年目にはしゃぎ過ぎたので、もうシャシャらないように今は封印してます。寝る時間もちゃんと取らないとね。やり始めると極めたくなるので(苦笑)。
『今やってるポジション以外にやってみたいポジションはありますか?』
阪口 CBとGK以外は全部やったからなー。その中だと…、サイドハーフかな。突破してクロスとか上げてみたい。意外とサイドハーフってボールが逆にあったときに先頭になってかなりビッグチャンスになったりするでしょ?
齊藤 わかる! サイドハーフが賢いとなんかいいよね。ポジショニングとか、相手と駆け引きとかして。自分は前の3枚のあたりをずっとウロウロしてる感じだから…。浦和時代に守備をしてたこともあるけど攻撃はしたい。となるとやっぱりSBかな。それかけっこうキックを蹴れるから意外性を狙って今から懸命にやり込んでGK!
阪口 なんかめっちゃ飛びそう(笑)。
『自分が思い描く理想的なシュートはありますか?』
阪口 ミドルかFK! GKが飛んでるのにその頭上を越えたところでストンと落ちる、弧を描くみたいなキック。コンディション面とやり過ぎちゃう傾向からちょっと今押さえてるんですけど、去年はそれめっちゃ練習してました。
齊藤 すっごいマニアックなんですけど…、あの人ボールを持てるなっていうボランチとかの間接視野に入ったときに相手を欺きながら最後に縦パスをもらって流し込む! ボールの出し手との連係が大事で、この動きがなかったらこの得点はなかったなっていう動きをしたい。この駆け引きがあったからゴールにつながった、みたいなのは理想です。
阪口 練習試合ではそういうの出るときあるよね。
齊藤 あともうちょっとで、試合でも出せるようになるはず! そのためにはもう一段階ビルドアップ力が上がらないとその状況にはならないと思う。ハーフラインをみんなが越えてるときにそういうパスが出る。今はまだ一旦FWにボールを預けて、みんなが上がるっていう段階だから。最後の駆け引きできるところまでいっていない。自分はその形で勝負したいですね。
『プロになるために一番必要なものはなんですか?』
齊藤 覚悟、責任、自覚!
阪口 多い多い(笑)。でも、そこに自信と感謝を加えて…、それはマストだよね。
齊藤 5つは「それがないと仕事してることにならないでしょ」っていうのが自分の中にある。本当はそこに結果、っていうのを足したいんだけど、今は声高に言えない。でもそういう気持ちは持ってます。
阪口 そこにプラスするならば、“自分を研究すること”かな。どういう状態のときがいいパフォーマンスが出せるか、何を食べたり飲んだりすると自分のコンディションが良くなるのか。これは人それぞれだから自分を知ることってすごく大事だなって最近すごく思います。これを若い時から気づいてやれる選手がすごい!
『背番号への愛着はありますか?』
阪口&斎藤 あります!!
齊藤 好きなのは17番なんです。
阪口 (佐藤)寿奈から奪う?
齊藤 いえいえ、新加入の身なので(笑)。自分は“感謝”→サンキューで「39」です。初めてWEリーグに挑戦できたシーズンという意味も込めて。「17」はヴィアマテラス宮崎で着けていたこともあるし、なんてったって大谷翔平さんと同じ! 赤が好きなんですけど、自分が着けていたときはまだ大谷さんがエンジェルス所属で、赤と「17」でまさかの被り! 思わず大谷さんのグッズで17番の入った赤のパーカー買っちゃいました(笑)。
阪口 「8」は(上辻)佑実さんから引き継いだ番号なので大切に思ってます。「11」は父や兄が11番を着けていたこともあって、個人的に好きな番号です。
『試合前のルーティンはありますか?』
齊藤 ここ2年くらい、試合前の夜ご飯に必ず魚を食べます。肉も食べるんですけど、魚の油が試合前の自分には合ってる感じがします。
阪口 ゲルマニウム入りのお水を飲みます。これはコンディションを保つために飲んでるんですけど、ちょっと酸っぱい感じです。
『もらえるとしたら何が欲しいですか?』
齊藤 ジェラピケの…。
阪口 え!? (大声)
齊藤 なに、ダメなの(笑)?恐竜が好きなんですけど、メンズのジェラピケに恐竜デザインがあるんですよ。長袖は持ってるんですけど、この前半袖があるのを見て…。今はそれが一番欲しいです。でもリアルに購入しようとしてるのはマットレス! やっぱり睡眠は大事です。
阪口 いまさら(笑)?でも私も枕とか作ったけど、あれいいよ! 私はスマホも欲しいし、iPadも欲しいし、パソコンも欲しい! でも、やっぱりお掃除ロボットにします(笑)。ベッドとソファがあるんですけど、愛犬のPOCOちゃんの毛が溜まりやすくて、そこを掃除してもらいたい。
『毎日の食生活で気を付けてることはありますか?』
阪口 朝、昼、晩バランスよく栄養素を摂ること!
齊藤 同じく!
阪口 週1で買い物して一気に買って、冷凍保存する。余るくらい作って残して、またそれをアレンジしていくと意外と使い切れるし、バランスも取れますよ。
齊藤 すごっ! 自分はあまり作るのが得意ではないので…。冬場はこの鍋! って決めたら1週間はずっとそれ(笑)。肉も魚も野菜も摂りたいけど、何品も作れないから鍋にしてました。秘伝のタレばりに継ぎ足しで(笑)。薄くなったら出汁入れて、野菜入れて…。しっかり火を通せば4日くらい行けます。試合前はそこに魚とかスナップエンドウとか足すとバランスを取りやすいんです。
『ごはんに一番合うおかずはなんですか?』
阪口 生たらこ! たまごかけごはんにたらこ入れると美味しんですよ。明太子じゃなくて、絶対たらこ!
齊藤 韓国のりのふりかけ! なんにでもふりかけます(笑)。
阪口 あれおいしいよね~。
『VENTUS内でモテそうなのは誰ですか?』
齊藤 (牧野)美優! 普段笑わないツンツン系なのに、クッキーとか焼いてきて褒められて照れたりしてるとこがツンデレでモテそう(笑)。
阪口 たまに見せるデレがね(笑)。あと、ちー(箕輪千慧)じゃない?どこがとは言えないんだけどなんかかわいい。ちょっと下からイジってくる感じ。気も使えるし。
齊藤 なんかお茶目だよね。
『街中で会ったときは声をかけてもいいですか?』
齊藤 大宮で声かけられたことないな…。
阪口 アピールが足りないんじゃない(笑)?私はそもそも街中に出て行かないから誰とも会わない(苦笑)。状況によりますけど、全然声かけてもらっても大丈夫です!
齊藤 気づかないフリされてもあとで知ったときに「誰といたときだろ?」ってなるから、サラッと声かけてくれるのはうれしいです。
阪口 サラリとね(笑)。周りの人に迷惑がかからなければぜひ!
『ちょっとした秘密を教えてください。』
阪口 私、つむじが額のすぐ近くにあって、そっちの方に前髪が流れちゃうんです。
齊藤 持ってるな~。このあとキツい(笑)! あ~でも、パワーストーン好きで、空間もいい流れにするって聞いたんです。それならば家中のパワーストーン8個くらいかき集めてスタジアムのロッカーに置いたら少しでもいい空気になるかなって思って持ってきたら、ロッカールームでみんなに引かれた(笑)。
阪口 パワーストーンはお守りみたいな感じだもんね。みんなビックリしただけで大丈夫だよ(笑)。
たくさんの質問をいただき、ありがとうございました!
早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。