明治安田J2リーグ 第38節
2025.11.29 [SAT] 14:00 みらスタ

山口

  • 42' 山本 桜大
  • 54' 小澤 亮太
  • 81' 山本 桜大
3 - 2
1 前半 1
2 後半 1

大宮

  • 18' 関口 凱心
  • 58' カプリーニ
試合経過
監督コメント
今週は、前節で自分たちができていなかったこと、最後の部分でスキを見せてしまったことを中心に確認をしました。攻撃の部分では、秋田戦よりもゴール期待値は高かったので、自分たちが仕留めきる部分をもう少し積み上げていけるように確認をしました。

前節も全然悲観する試合ではなくて、後半はほぼ自分たちのやりたいことはできていたと思います。僕も2回ぐらい映像を振り返りましたが、勝つことのできる試合だったと思います。もちろん相手のすばらしい守備もありましたが、相手が守備をすることに夢中になるような自分たちの攻撃だったと思いますし、自分たちは夢中になる中でフッと落ちつかせるとか相手の裏を取るとかそういったことができませんでした。そこは改善していきたいですし、やるべきことは明確になっていると思います。プロなので最後に結果を残すということは大事ですが、伝えてきた姿勢の部分は出せていたと思いますし、あとはゲームプランと自分たちが仕留めきる部分の積み上げかなと思っています。

山口は最近は波に乗っていて、やることがハッキリしているチームという印象です。簡単な試合は1試合もないですし、絶対に厳しい試合になると思いますが、表裏一体の中で自分たちが仕留めきれるように、そして自分たちがやるべきことをしっかりとできるように、選手たちが勇気を持ってプレーできるように、送り出すことができるように、良い準備をしたいです。 相手は必死になって戦ってくるでしょうし、自分たちも必死になって、本当に“狩る姿勢”を忘れずにやっていきたいと思います。

僕がこのチームに来させてもらったときには、本当にJ1にふさわしいチームなのかはまだわからなかったですが、実際に選手・スタッフと2ヶ月、一緒に仕事をさせてもらって、ほかにもふさわしいチームはもちろんあるとは思いますが、自分たちもそれに負けないぐらいJ1にふさわしいサッカーをしていますし、本当にいいチャレンジができているので、そこは選手たちとは目標を明確にしました。
選手コメント
前節はスタンドで観ていて、プレーだけではなく、サポーターの熱や気持ちを多少なりとも汲み取れたかなと思います。うまいプレーよりも戦う姿勢とかそういう根本のところでよりサポーターの方に楽しんでもらえるし、観に来てくれるのではないかと思ったので、ピッチに戻ったときにはまず最初にそこを体現したいと思っています。

山口戦も拮抗したゲーム、しびれるゲームになると思うので、守備で相手にやらせないことと、セットプレーがカギになるので攻守においてチームに貢献できればと思います。

山口の立ち位置は、2年前、降格圏にいる自分たちが最終盤に残留争いをしていたときの気持ちと似ているのかなと思います。山口がどういう気持ちで向かってくるかは、体験しているからこそわかっています。しっかりと相手をリスペクトしなければいけないですし、相手はいつも以上のパワーで来ると思うので、受けに回らず、やってきたことを全部出して、果敢に挑戦して、攻めて攻めて攻めまくりたいです。

ここからは本当に選手たちだけではなくて、サポーターの皆さんにも一緒に戦ってほしいですし、スタジアムの雰囲気作りも結果に直結すると思うので、そういう意味でもプレーオフは上位の方が有利ですし、そこはサポーターの皆さんにも求めていきたいです。

やってきたことを全部出すだけだと思いますし、相手がどことかは関係なく、自分たちのやりたいこと、やるべきことをやれれば、必ず勝てると思っています。
もちろん、すべての試合で勝てればなんの苦労もないですが、どんなに良くても負けることもあるし、どんなに悪くても勝つこともあります。ただ、悲観する時間はもう僕たちにはないので、目の前の一戦一戦を今までどおり、ポジティブに戦っていくだけですし、課題を明確にして整理して次に挑むという作業は変わらないので、一喜一憂することなく次にしっかり備えたいと思います。僕らはまだ何も手にしていないですし、山口戦の勝点3を取りにいく以外はないので、そこにフルパワーを注ぎたいです。

相手も死に物狂いで、すごいパワーで来ることはもうわかっています。ただ、自分たちもすごく大きなものがかかっていますし、今までやってきたことをしっかり出してプレーオフに進めるように、自分たちにフォーカスしてプレーしたいです。

個人としては、昇格プレーオフ争いをしている立ち位置で、今シーズンこうやって試合に出させてもらっていることは本当に奇跡に近いですし、この時間を経験させてもらっていることにすごく感謝しています。こういう舞台を自分たちでつかんだし、つかませてくれたし、いろんな人の想いとか、人のつながりとか、サポーターの力とかが重なって今ここにいるということをもう一回噛み締めて、僕たちは結果で返すことが責任なので、その仕事をしっかり果たしたいと強く思います。

ここからは一瞬で決まると思うので、一瞬を制すれば自分の価値も上げられるし、チームの価値も上げられるし、逆にそこをこぼしてしまえば、あとはもう自分で責任を取るしかありません。ギリギリのジャッジを迫られるゲームができることに誇りを持って、プレーしたいです。
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 ニック マルスマン
DF 4 松田 佳大
DF 5 喜岡 佳太
DF 76 磯谷 駿
MF 17 田邉 光平
MF 29 輪笠 祐士
75'
MF 27 小澤 亮太
MF 55 岡庭 愁人
46*'
MF 30 奥山 洋平
46*'
MF 45 山本 桜大
FW 9 有田 稜
69'

控えメンバー

GK 26 田口 潤人
DF 15 板倉 洸
DF 14 下堂 竜聖
DF 36 西堂 久俊
46*' 80'
MF 7 三沢 直人
80'
MF 8 野寄 和哉
75'
FW 13 宮吉 拓実
FW 20 河野 孝汰
69'
FW 34 古川 大悟
46*'

監督

中山 元気

スターティングメンバー

9'
83'

控えメンバー

9' 83'
67'
83'

監督

宮沢 悠生
試合詳細
13 シュート 11
3 GK 7
3 CK 6
13 直接FK 16
0 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

須谷 雄三

副審

竹田 明弘

副審

竹長 泰彦

第4の審判員

石丸 秀平

入場者数

8,573人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

15.2℃/51%

HIGHLIGHT

アウェイで痛恨の敗戦も6位でプレーオフに進出
明治安田J2第38節、今季のリーグ最終戦は山口とのアウェイゲームだ。

J1昇格プレーオフの出場権が懸かる大一番で、4位以内に入れば初戦をホームで戦える。「相手も必死、自分たちも必死、狩る姿勢を忘れずにやっていきたい」と闘志を見せる宮沢監督と選手たちが目指すのは、この試合の勝利のみ。全力を尽くして勝点3をもぎ取る覚悟だ。

試合前、選手たちがウォーミングアップを進めるなか、ベンチ前に一人腕組みをして立つ宮沢監督が、アウェイまで駆けつけたファン・サポーターの声援を、じっと聞いている。J2残留の望みを残す山口側のサポートも熱い。たくさんの人々の思いが重なり、徐々に緊張感が高まっていく。

前節・徳島戦からの先発変更は1名。出場停止明けの市原が最終ラインの中央で村上とコンビを組み、イヨハ理ヘンリーが左SBにスライド。下口がベンチから出場機会をうかがう格好だ。

快晴の14時過ぎ、試合は山口のキックオフで始まった。

開始直後、ボールを追いかけた豊川がペナルティエリア内で相手GKと交錯。前へ飛び出していく姿勢、この試合に懸ける意気込みの強さをプレーで示した。だが、自陣でクリアした際に左足を痛めて、9分に谷内田との交代を余儀なくされてしまう。

ただし、ピッチに出た谷内田は最初のCKで小島とトリックプレーを行ない、ゴールへの期待を高める。山口の粘り強い守備の前に先制はできなかったものの、大宮の立ち上がりは悪くない。注意が必要な相手のロングスローにも落ちついて対応。危なげなく跳ね返し、ボールを前に運んだ。

すると18分、美しい展開から待望の先制点が生まれる。中盤でパスを繋ぎ、カプリーニがポケットにスルーパスを送ると、そこに走り込んだのは一気に駆け上がってきた関口だ。正確なトラップでゴールに近づくと「GKも見えていたので、冷静に流し込むだけでした」というシュートでリードを奪った。

大宮は、先制後も優位にゲームを進めた。球際の競り合いで譲らず、ひとり一人が確実に身体を張る。カバーリングの意識も徹底されており、局面を崩されても守備陣は崩れない。30分過ぎ、ともにサイドを崩されてヒヤリとしたが、シュートミスとほんのちょっとのズレに助けられて難を逃れた。

耐える時間帯が続いた大宮は42分、山本の豪快なシュートで同点とされる。しかし、徳島戦と同じ轍は踏まない。相手ゴールに連続で襲いかかり、同点のままハーフタイムを迎えた。

後半、両チームの選手たちはより一層激しい攻防を繰り広げた。素早く戻ったアルトゥール・シルバが有田の突破を食い止め、カプリーニが縦への仕掛けを試みる。だが54分、ゴール前の混戦を逃げ切れず痛恨の失点を喫してしまう。それでも怯まず、勇敢に前へ出ていくと、4分後に豪快な一発が飛び出す。オリオラ・サンデーとのコンビネーションからカプリーニが左足を振り抜くと、相手GKが一歩も動けない凄まじい弾道のシュートがゴールに突き刺さった。

70分、右サイドでシルバがボールをキープし、深くえぐった関口のクロスに反応したカプリーニ、交代出場の杉本、津久井が立て続けにゴールに迫ったが、相手の懸命なブロックにあい得点は奪えず。一つのミスが命取りになる緊張感が漂うなか、3点目を取りにいく積極性を見せ合った。

残り時間が刻々と減るなか関口の突破から津久井に決定機が訪れたが、右足アウトで放ったシュートは、わずかに左に外れてしまう。直後にはカウンターからヘディングシュートを許し、加藤が渾身のセーブでなんとかボールをかき出した。どちらに勝利の女神が微笑むのか、まったく読めない。

81分、相手のシュートを一度ブロックしたが、こぼれ球を拾われてヘディングシュートを決められる。その直後、宮沢監督は谷内田とカプリーニを下げて、藤井とファビアン ゴンザレスを同時投入。大宮の選手たちへの熱い声援が続くなか、7分のアディショナルタイムにも攻め続けた。しかし、ゴールライン上での相手のクリアなどもあり、最後までゴールは奪えず。無念のタイムアップとなった。
 
最終順位は6位。J1昇格プレーオフの初戦はアウェイで千葉と戦うことが決まった。試合後、宮沢監督は「6位という順位になったのは、自分たちが38試合戦ってきた成果だと思います。ここ2試合の振り返りは必要だと思いますが、大事なのは崩れないこと、バラバラにならず自分たちができることを確認して千葉戦に臨んでいきたいと思います」と気持ちを引き締めていた。

どの選手も、敗戦を受け止めながらも意識は千葉戦に向けていた。村上は「自分たちはチャレンジャーという肩書きだと思うので、フクアリで最高のプレーができるように1週間準備したいです」と口にし、小島は「(次は勝たないと敗戦という状況は)逆に分かりやすくて、一番やりやすい立ち位置というか、ポジティブにとらえて頑張ります」と前を向いた。

12月7日、J1昇格プレーオフ初戦の相手は千葉だ。今季1勝1敗と互角の勝負を演じている相手と、アウェイで運命を懸けた一戦に臨む。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
立ち上がりにいい形で先制点が取れて、自分たちが波に乗っていけるかと思ったのですが、少し硬さが見えてなかなか波に乗っていけずに、自分たちから崩れてしまったなという印象です。自分たちがやりたいことがなかなかできなかった試合でした。

立ち上がりに1点取ったあと、相手が勝つためにプレーしてきたときに、少し守りに入ったような感じになってしまった印象を受けています。ただ、ゲームをもう一度振り返って見なければわからないですが、そうなってしまったのはメンタリティのところなのか戦術のところなのか、しっかり分析して次の試合に備えたいと思っています。

相手チームが自分たちを分析をしてくるなかで、自分たちがしっかり跳ね返す、セカンドボールを回収して逆の方向にボールを持っていくところで、前節とは少し違うと思いますが、今節は完全に相手にその勢いを自分たちの逆の方向に持っていかれたという印象です。

自分たちが6位という順位になったのは、38節みんなでやってきた成果なので、ただ、6位というところから自分たちが本当にチャレンジャー精神で上位のチームに勝っていくという、一番最初の立ち上げのときに話したことをもう一回やっていこうと選手たちには話をしました。

プレーオフに向けて、千葉がどういうサッカーをしてくるかというところもそうですし、今まで自分たちができていたこと、この2試合できなくなっていることの振り返りは必要だと感じています。ただ、ここで崩れずに、自分たちがバラバラにならずに、もう一回自分たちがやれることを確認して、次の千葉戦に臨んでいきたいです。
選手コメント
得点シーンは、相手のGKも見えていたので、冷静に流し込めました。ここ数試合は自分の攻撃の良さが生きているのかなと思いますし、個人的には前より少し良くなった点かなと思いますが、守備がまだまだなのでもっと頑張ります。

前節も2失点してしまいましたし、これは個人もそうですし、チームとしても、まだまだ突き詰める必要があると思いますし、プレーオフでこういう失点ばかりだと勝てないので、そこをもう一度見つめ直す必要があると思います。

ギリギリでプレーオフ出場権を獲得したことは良かったですが、やはりホームでやりたかったので、勝てばホームでやれる可能性もあった試合に負けてしまったことが一番悔しいです。プレーオフに向けてもう一度チーム一丸となってやる必要があるので、また来週しっかり練習からアピールしてやっていきたいと思います。

プレーオフは、本当に点を取ることでしか勝利はないと思うので、前半からやはりガンガン仕掛けていきたいですし、また得点やアシストができればすごくいいなと思います。ただまずは守備で失点しないことが大切なので、もう一度見つめ直してやっていきたいなと思います。

今日もアウェイに本当にたくさんのサポーターの皆さんが来てくれたのに、勝ちを届けられなかったのは本当にふがいないですし申し訳ないです。次もアウェイですが、チーム全員でしっかり走って勝つしかないので、そこに向けてやっていきたいと思います。
今日は単純に1対1や球際、セカンドボールとかの自分たちがやってきた土台の部分のバトルで負けていたかなと思います。勝たないといけない状況は同じでしたけど、シンプルに押し切られていましたし、自分たちの力が足りなかったです。

前半30分過ぎくらいから自分たちのプレッシャーがハマらなくなってきて、自分たちが後手を踏んだような感じになってしまいました。けっこう押し込まれていたと思いますし、自分たちのプレッシャーがうまくいってなかったです。

自分たちが決め切れないと相手にもチャンスが来るんだろうなと思っていましたし、そのチャンスを決め切れられてしまいました。自分たちが決め切れていたら、逆に自分たちが3点取って勝っていたかもしれないので、そこの差かなと思います。仕方ないとは言えないですがサッカーはそういうものなので、また練習からみんなで締めてやるしかないと思います。

ずっと負けられない試合が続いていて、このあとも勝たなければいけない試合が続くだけで、それがあと2試合あるというだけなので、そんなに気負わずにやっていきます。勝利が必要なのは分かりやすいので逆にやりやすいですし、6位の自分たちは一番やりやすい立ち位置なのかなと思うので、ポジティブに頑張ります。

今日も遠いところまでたくさんのサポーターが来てくれて本当にありがたいですし、次はもっと来てくれると思うので、満員のスタジアムで良い試合を見せたいです。
山口も残留がかかっていたので死にものぐるいで来ることは分かっていました。前半はしっかり教訓を生かせたのかなと思いますが、後半の失点の仕方は個人個人のところが甘かったですし、デュエルのところで負けていたなと思います。

ピンチの場面で流れを切れなかったのは僕たちの責任だと思いますし、クロスを上げさせないとか当たり前のことを徹底しなければいけないと思うので、もう一回来週の練習で詰めるしかないと思います。

もちろん反省するところはしますし、課題が出たところもやっていきますが、今は下を向くフェーズではないと思いますし、プレーオフを勝ち取ったということは間違いなく38試合の積み重ねだと思うので、そこはしっかり自分たちの結果として受け止めて、プレーオフで最高のプレーができるように準備したいと思います。

勝つしかないプレーオフは、まさに宮さん(宮沢悠生)が掲げているサッカーがそのままできると思いますし、そういうメンタリティでやるしかないという状況だと思うので、しっかり良い準備をしたいと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草 紀子)

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